日頃から弊社は、マンション管理組合様・管理会社様に向けて管理員室の電話回線をソフトバンクの固定電話サービス「おとくライン」へ切り替えることをご提案させていただき、管理コストの削減を実現しておりますが、その中でここ最近、「INSネット終了っていつなの?」「INSネット終了になると警備システムに不具合が出るの?」といったご相談が増えてきているように感じております。さらには実際に弊社のサービスをご利用いただき、警備システムを新しいものに入れ替えさせていただくケースも数多くございます。そんな弊社の経験・知見から、「INSネットの『ディジタル通信モード』段階的終了に伴う警備システムの刷新」について、弊社の見解をまとめさせていただこうと思います。
- そもそもINSネットって何?
- INSネットの「ディジタル通信モード」を使った警備システムがある
- 「ディジタル通信モード」の段階的終了で、警備に不具合は出る?出ない?
- 警備システムの移行費用をどうするか、でお困りなら株式会社STSへご相談を
そもそもINSネットって何?
「INSネット」とは、NTT東日本・NTT西日本が提供するISDN回線のことを指しています。ISDN回線では、通話モードとディジタル通信モードなどでの通信が可能になります。筆者はかつて、自宅の電話回線をISDN回線にしたことがありますが、壁にある電話線を引き出すモジュラージャックからコードを引っ張り、間にかませる機械とつなぎ、そこから電話回線が2本引けた、という「おトク」な気分を味わったことがあります。これをお読みのマンション管理組合様の理事の方や管理会社様のフロントの方がおられたら、管理員室の電話線を電話機からたどり、機械が間にかませられていて、その機械から壁のモジュラージャックにつながっているようでしたら、管理員室の電話回線は「INSネット」を利用されている可能性が高い、とお考えいただければ良いでしょう。
INSネットの「ディジタル通信モード」を使った警備システムがある
前述のように、管理員室の電話回線が「INSネット」を利用されている可能性が高い場合は、管理組合様や管理会社様は電話料金明細の内訳を確認してみて下さい。そこに「パケット通信料」という項目が記載されていたら、INSネットの「ディジタル通信モード」を利用し、「Dチャネルパケット通信」を使った警備システムが導入されているケースに該当するかもしれません。実際のところはどうなのか、を確認するには、警備を担当されておられる警備会社様に確認を取ってみていただきたいと思います。
「ディジタル通信モード」の段階的終了で、警備に不具合は出る?出ない?
INSネットの「ディジタル通信モード」は2024年1月以降、段階的にサービス提供を終了していく、とNTT東日本・NTT西日本は発表しております。また同時に、「切替後のINSネット上のデータ通信(補完策)」を2027年ごろまでを目途に提供するとも発表しておりますが、この「補完策」では「伝送遅延が生じ処理時間が増大する等、利用する機器によっては通信に影響が発生する」ともアラートを出しています。一般的にマンションの警備システムでは、監視カメラで動画を撮影し、警備会社様がその動画を受信して状況の確認を行なっている場合が多いと思われますが、NTT東日本・NTT西日本の発表を読み解くと、その動画の送受信に影響が発生する可能性がある、ということになります。あくまで「可能性がある」ということですから、警備に不具合が出るか出ないかは「なんとも言えない」となりますが、間違いのない警備を行うのであれば「ディジタル通信モードを利用したDチャネルパケット通信による警備システムから別の方法を使った警備システムに移行する」のが得策である、と考えられます。
警備システムの移行費用をどうするか、でお困りなら株式会社STSにご相談を
ここで問題になってくるのは、「別の方法を使った警備システムに移行する」場合の費用負担を誰がするか、という話です。管理組合様か、管理会社様か、警備会社様か、いずれかが負担するか、負担費用を三者で分割するか、ということになるのだろうと思いますが、その決定には、組合様の理事会での承認が必要であるなど、時間がかかるケースが多いのではないでしょうか。NTT東日本・NTT西日本の発表によると、「2024年1月から段階的に終了」するということなので、この記事を書かせていただいている2023年9月からはあまり猶予がないことも事実です。この「INSネットの『ディジタル通信モード』段階的終了に伴う警備システムへの不安」をお感じの管理組合様・管理会社様・警備会社様がおられるようでしたら、弊社ではソフトバンクの固定電話サービス「おとくライン」への管理員室の電話回線の切り替えを前提として、ご相談に乗らせていただいておりますので、まずは一度お問い合わせをいただけたら幸いです。弊社ではこれまで、同様のケースで1,000回線前後の切替実績を既に積み重ねております。